会社の概要をサクッとまとめ
この記事を読んでいただいている皆様であればすでにご存じだとは思いますが、セリアは100円ショップを運営している会社です。
100円ショップ業界の企業価値でいうと、現在2位となっています。
ちなみに、1位は察しが付くと思いますが、ダイソーです。
企業価値とは…
「企業の価格」のこと。
その企業にどのような経済的な価値があるのかを、企業が保有する資産や今後生み出していくであろう収益などを総合して判断する。
いくつかの計算方法がある。
100円ショップが好きな方は共感していただけると思いますが、ダイソー、セリア、キャンドゥ…それぞれの良さがあります。
私も利用することがありますが、どこのお店も100円ショップはお客さんがいっぱいですね。
ということで、会社概要をまとめてみました。
【証券コード】社名 | 【2782】株式会社セリア |
設立 / 決算期 | 1987.10.20 / 3.31 |
資本金 | 約13億円 |
店舗数/従業員数 | 1,876店舗/515名(パート11,902名) |
業態 / 概要 | 小売業 / 100円ショップ経営 |
株式市場 | スタンダード |
類似企業 | (非上場)ダイソー、【2698】キャンドゥ、【7647】音通、【2735】ワッツ |
セリアの業績
ここからは、今までのセリアの業績についてザックリ見ていきましょう。
売上・利益
↑のグラフは売上と利益の過去10年分のデータです。
売上は毎年過去最高を更新し続けてきており、着実に会社が成長していることがわかります。
しかしながら、利益は2021年に最高利益をたたき出した後は、ズルズルと下がっています。
これは、コロナによる巣ごもり需要が一服して、世界的なインフレや戦争で物価上昇による経費の増加によるものが要因となっています。
他社はその経費分を「値上げ」という形でしのいでいますが、セリアは「100円一筋」で貫いているため順調に稼げていた利益が減ってしまった、という状況にあります。
ココは投資家としてはもどかしい部分があるのではないでしょうか?
今後もずっと100円を貫いていくのか、ダイソーのように別の価格帯商品も取り揃えていくのか、全体的に値上げするのか、…経営者の判断は難しいところがあると思います。
EPS・配当
次は、EPS・BPSの推移と、配当についてです。
EPSは先ほどチェックした利益と同じ動きですね。
また、BPSは売上と同じようなグラフです。
まぁ、これは予想どおりなので割愛します。(EPS…戻ってきてくれるといいのですが)
配当についてですが、こちらはかなり優秀です♪
1株あたりの配当は70円で、配当利回りは3.2%あります。
配当性向は51.4%と少し上昇気味ですが、ある程度の余裕はあります。
また、10年前から一度も減配せずにずっと増配をし続けてきました。
直近では増配はしませんでしたが現状維持で減配はされていません。
ただし、今後利益が縮小していけば減配する恐れはありますね。
その他指標
それ以外の主な指標をチェックします。
2023.6.9時点の1株あたりの株価は2,220円です。
100株買うと約22万円かかりますので、サクッと買える金額ではありませんが買えないほど高いわけではありません。
時価総額は1,670億円あり、そこそこ大きいですね。
PERは17.5倍、PBRは1.7倍と割安感はありません。
ROEは10.5%あり、効率的な経営ができています。
ちなみに、ROAも8.1%あるため悪くありません。
自己資本比率は76.8%もあり、財務は健全といえます。
チャートから株価の買い時を探る
次は、今までの株価の推移をチャートを見ながら確認していきます。
↑のグラフは2013年から現在までの株価の推移です。
最高値は2018.1月につけた7,390円、最安値は2022.5月の2,173円です。
現在値は2,220円でしたので、過去10年分の最安値と同じ水準まで下がってきていることになります。
今までは好業績と将来への展望・期待感から株価が上昇していたと思われますが、今後の成長への期待が持てないのか、株価は下がりきっている感じですね。
単純にテクニカル分析だけで判断するならば、下落の波が落ち着いてきており、2,200円~2,100円あたりで下げ止まっていることを考えると、このあたりの価格帯に意識されているラインがあると考えられます。
そのため、2,000円を割り込んで下がっていかなければ下げ止まったと判断して買っていくのもアリかもしれません。
(下降エリオット5波終了+逆三尊を形成 →上昇か?)
ただし、FXと違って株はテクニカルが効きにくいところがあります。(特に長期になると…)
そのため、この会社が今後どの程度成長するのか、という点も自分なりに予想しておくことが必要です。
セリアの今後の展望(将来性)
公式発表している戦略
まず、セリアは今後どういう戦略を立てているのかをチェックしてみます。
↑は2023年3月期決算説明会の資料に書かれていた「重点施策」です。
要約すると次の3点です。
- 利益率の高い100円商品を開発
- 未開発地域への出店
- セルフレジなどで業務効率化
個人的な感想をいうと「インパクトが足りない!」ですね。
確かに、↑の3点を見直すことで売上や利益が改善されるとは思います。
が、それだけの戦略だと投資家は「とりあえず現状維持な感じだね。これ以上は株価が伸びないか。無理して保有しなくてもいいかな。」となっていきそうな気がします。
株価は、その会社の見通せるだけの未来の成長を反映させたものが数値化されています。
そのため、会社としての中期経営計画がなかったり、今後の成長を加速させてくれそうな材料がないとなると買うタイミングが難しいですね。
個人的見解…こんな発表あれば株価上がるかも
それでは、株価が上昇するキッカケになる材料はどのようなものがあるのかを勝手に予想してみましょう。
- 値上げする or 高価格帯ショップをつくる(仮:セリアプレミアム)
- M&Aで企業規模を大きくする
- 海外でガッツリ稼ぐ
一番のカンフル剤は「値上げ」でしょう。
日本人は値上げが大嫌いですが、このご時世に1個100円で利益を出すことが難しくなってきています。
100円、200円、300円と3種類の商品を用意するだけでも利益面の改善が見込めるものと思います。(ダイソーのマネしたらいいんです。)
セリアにはセリアのファンがたくさんいます。
一部の商品を値上げすることで多少のファン離れはあるでしょうが、それ以上にファンになってくれる人も増えるのではないかと思います。
あとは、同じ業界同士で経営統合するとか、海外進出して強みである日本製を売りにして高価格で売りまくるか、ですね。
ちなみに、オンラインショップもないので、オンラインショップぐらいはあってもいいのではないかと思います。(買いに行くのが面倒になっている人、結構いますから…)
まとめ
今まで考察してきたことをまとめておきます。
セリアとは? | ・100円ショップ業界2位。 ・おしゃれ雑貨が女子ウケして人気が高い。 |
業績 | ・売上は右肩上がり(過去最高を更新中) ・利益はここ数年減益中。 ・財務は健全 |
配当 | 1株70円、利回り3.2%と悪くない水準 |
株価 | ・現在2,200円、過去の推移から見ると割安。 ・PER的には割高感。 |
将来性 | ・現時点で目新しい戦略ナシ。 ・何か新たな発表があれば、株価の上昇要因になるかも。 |
いろいろと分析してきましたが、現時点での買い時は…難しいところがありますね。
売上は毎年伸ばしていますし、利益もこれ以上は下がりにくいと思いますので、株価が2,000円以下にはならないかなぁと思いますが、上昇するには何かが不足している気がします。
ただ、情報弱者である個人投資家が、セリアの最先端な情報をつかむことは不可能ですので、今のうちに100株だけ仕込んでおくのも悪くない選択肢かなぁと思います。
最終的なご判断はご自身で。(投資は自己責任です)