結論
忙しい兼業トレーダーの皆様のため、結論から先に申し上げます。
- 買い時は株主優待の権利定日である9/30以降。
- 短期的に(2022.9.30まで)は様子見。
- 長期的には買い。
この結論に至った考えを説明します。
興味のある方は続きをご覧ください。
ヒロセ通商(7185)って何してる会社?
ヒロセ通商は主にLION FX(ライオン エフエックス)というサービスを提供しているFX会社です。
ちなみに、FX会社は売買における手数料が主な売上金となります。
- スプレッド
- スワップポイント
どちらもFX会社によって違うため、ここの手数料を調整することで利益を得ることになります。
詳細が知りたい方は↓をご覧ください。
ヒロセ通商の強み
NDD方式
日本国内のFX会社の多くはDD(Dealing Desk)方式ですが、ヒロセ通商はNDD(None Dealing Desk)方式です。
方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
DD | スプレッドが狭い | ディーラーを介するため取引が不透明 リクオート・スリッページが発生することがある 約定が遅い スキャルピングができないことが多い |
NDD | 約定が早い 透明性が高く安心 スキャルピングOK | ややスプレッドが広い |
DD方式は国内FX会社の多くが採用しています。
ヒロセ通商は、国内FX会社でNDD方式を採用している数少ない企業の一つです。
DD方式とNDD方式の違いやメリット・デメリットは↓で詳しく解説しています。
スキャルピングOK
上述したとおりNDD方式を採用しているヒロセ通商ではスキャルピング公認となっています。
数秒~数時間程度の短い時間に、何度も売買を繰り返して利益を積み重ねるトレード手法。
スキャルピングを行うとFX会社のサーバーに負荷がかかるため、多くのFX会社はスキャルピングを禁止しています。
しかし、独自の強固なシステムを開発しているヒロセ通商は、スキャルピングによる取引でもシステムを安定させることができています。
また、NDD方式を採用しているため、FXトレーダーが儲かれば取引量が増えるため会社も儲かる仕組みとなっており、Win-Winな関係なところもGood!
顧客第一主義!
この会社は「徹底的にお客様の声をカタチにする」ことを最重視しています。
つまり、それだけFXトレーダー(お客様)の意見を聴き、改善することを繰り返すことで顧客満足度を高めることが重要だと考えているのです。
その企業理念が実を結び、2022年の顧客満足度ランキングで1位を取得しています。
一個人の感想ですが「あ、こういう会社っていいなぁ。応援したくなるな。」と思います。
顧客を大事にする会社は高確率で成長します。(個人的な願望も含めていますが…)
ヒロセ通商の成長性は?
業界全体は参戦者が増加中↑
コロナによるテレワークの長期化や外出自粛などの要因により、FX業界に参戦する初心者が増えました。
また、初心者だけでなく、FXを継続している中級者や上級者もFXに使う時間が増えたことによりFX業界全体が活況モードになっています。
口座数・預かり証拠金が増加中↑
今後、今以上に会社が成長するためには、顧客を増やすことが必須です。
それを確認する一つの指標として、顧客口座数と顧客からの預かり金が増加しているかどうかをチェックする必要があります。
ビジュアル的にパッとわかる資料がなかったので、公式サイトの月次報告書を基に作成しました。
これを見る限り、順調な右肩上がりで成長していることがわかります。
今後も堅調に増えていくことが予想できます。
競合相手が多い…差別化できるか?
vs 国内FX会社
国内にあるFX会社は数多くあり、FX専業会社、証券会社、銀行などを合わせると主要なところでも40社以上あります。
ヒロセ通商はFX専業会社に分類されますが、競合相手がかなりいることがわかります。
上述したとおり、ヒロセ通商の強みである「NDD方式・スキャルOK・顧客ファースト」を貫いていけば、今後も順調に成長できるかもしれません。
ただ、それだけでは他社にシェアを奪われる可能性もあります。
新たなサービス展開、経営手腕に期待したいところです。
vs 海外FX会社
競争相手は国内のFX会社だけに留まりません。
日本では海外FX会社の利用が規制されていません。
そのため、国内の低レバレッジでは満足できない人は「XM」や「GemForex」などの大手・安心・日本語対応OKな海外FX会社にシェアを奪われる可能性があります。
しかし、まだまだ日本人にとって海外FX会社は敷居が高いものです。
また、海外FXはスプレッドが広いため、一概に海外FXの方が絶対的に有利とはいえません。
国内FX会社を利用するメリットもありますので差別化は可能かと思います。
そのため、海外FX会社をそこまでライバル視しなくてもいいかもしれません。
しかし、日本の人口が減少している今、逆に海外展開を積極的に行っていく必要があると思います。
ファンダメンタルズ分析
ここからは、ヒロセ通商の業績や収益性などをチェックしていきます。
「株探・バフェットコード」のデータを参考にさせていただいております。
業績・収益性
売上高、利益は2020年~2021年が過去最高となっています。
今年になってややダウンしているのが気になりますね。
↑のグラフは売上高と収益性の推移を表したものです。
売上高はまぁまぁ順調に増えていることがわかります。
ただ、最近では売上高や利益率の伸びが緩やかになっています。
↑のグラフは利益の推移を表したものです。
やはり、2020年をピークに利益がやや減少してしまっています。
キャッシュフロー
次は、キャッシュフロー(お金の流れ)をチェックします。
会社が倒産してしまっては元も子もありませんので、念のため確認しておく必要があります。
↑の表&グラフはキャッシュフローの推移を表したものです。
2018年・2020年は営業CFがマイナスになってしまっていますが、今年はちょっぴりプラスです。
一般的な優良企業では投資CFと財務CFはマイナスであるため、ヒロセ通商も悪くない水準です。
しかし、営業CFとフリーCFが安定しないのは若干不安が残るところです。
配当・株主優待
まず、配当からチェックします。
次は、株主優待です。
株主優待は、会社的には配当よりも重視しているのかなぁと思います。
9月末時点で100株以上保有している場合、↑のような商品が10,000円分もらえます。
(1,000株以上保有していると30,000円分相当)
これにより、配当とあわせると13,100円分の還元となるため、合計利回りは5%となります。
この株主優待を目当てに、毎年6月~9月末にかけて株を購入する人が増えたり、ずっと保有している株主も多いようです。
ただし、最近は株主優待制度を廃止する会社が増えてきましたので、いつかは廃止されるかもしれません。
もし廃止となれば株主優待目当ての個人投資家の一部からは買われなくなってしまいます。
しかし、株主の公平性を考えると優待よりも配当の方がセオリーと思いますので、余計な経費がかからなくなったことでそれを好感する投資家から買われることはあるかもしれませんね。
テクニカル分析
テクニカル分析、つまりチャートを使って分析していきます。
月足チャート
これは7185 ヒロセ通商の月足チャートです。
2016年3月に上場していますので、上場時から現在までの値動きをまとめたものとなります。
2016年には600円であった株価が現在2,600円を超えるほどに上昇しています。
全体的には上昇トレンド。
2018年にピークをつけた後に価格が上昇前の水準に戻っていますが、そこからは高値・安値を切り上げていることから上昇トレンドが継続しています。
週足チャート
次は、週足チャート。
期間は2019年9月~現在まで。
直近3年間の値動きですが、キレイな上昇トレンドが継続しています。
この調子で推移すると、安値に引いたトレンドラインあたりで「買い」を入れておけば中・長期的には勝てる可能性が高いでしょう。
逆に、このトレンドラインを割って下降していけば、とりあえず買いは控えた方がいいです。
あと、特徴的な値動きとして、10月初旬に大きな陰線をつけて下降していることがわかります。
この原因はもちろん「株主優待の権利確定日の翌日」だからです。
つまり、それほど株主の方は優待目当てで株を買っていることになります。
戦略としては、株主優待の権利を諦めて売買利益を得るか、株価が落ちることを見越して優待の権利を得るかの2択になります。
オススメは来年も優待目当てで株価が上昇することを予想して、株価が下がり切った12月以降に少しずつ購入していく方法がいいと思います。
現時点では上昇トレンド中なので、トレンド転換するまではずっと保有していても配当+優待で6%以上は狙えますので悪くない投資先かと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ヒロセ通商という会社はどういう会社なのか、株の買い時はいつなのか?
ということが少しわかってもらえたのではないかと思います。
最後に、ポイントをまとめておきますので参考にしてください。
・7185 ヒロセ通商とは、LION FXを運営している会社
・FX業界は参加者が上昇中
・ヒロセ通商の強みは「顧客ファースト、国内FXでは数少ないNDD方式採用」
・売上、利益は右肩上がりで伸びている
・個人投資家からは株主優待が人気
・チャート的には上昇トレンド。
・長期保有なら12月頃の底値で買い。
・短期売買なら4~6月頃に買って、10月下旬に売り。