GOLD(ゴールド:XAU/USD)の現在までの値動きを分析し、今後の値動きを予想していきます。
いくつかのシナリオを立てておくことで自信をもってエントリーできますし、逆にエントリーを見送ることができて負けを防ぐこともできます。
ゴールドを分析しているときに、相関性があるシルバーも併せて分析してみました。
ゴールド・シルバーを扱っている人の参考になれば幸いです。
ゴールド(XAUUSD)のチャート分析
チャート分析を始めるには、基本的に長期足(月足→週足→日足)から始めていく方が方向性(トレンド)がわかりやすいです。
これを「環境認識」とか「MTF(マルチタイムフレーム)分析」と言ったりします。
例えば、短期的に下降していても、長期的には上昇トレンドが形成されていれば、ショート(売り)は逆張りになりますので、大きなリターンを狙うのは確率的に難しいということがわかります。
ゴールドの月足:キレイな上昇トレンド
まず、XAUUSDの月足チャートから見ていきましょう。
2012年頃に前回高値を付けた後、ズルズルと下降していってしまいましたが、2020年頃から再度上昇しており、前回高値を更新しています。
2021年以降はそれほど大きな値動きがなく、レンジのような値動きになっています。
ただ、安値は切りあがっているし、高値も微妙に更新しているので上昇トレンドが終わったとは言い切れません。
ゴールドという商品の特性上、有限なものですので、長期的にみて価格が下がる可能性は低いと考えられますので、基本的に超長期で持つのであればロング一択になります。
ゴールドの週足:強い上昇トレンド
次は、XAUUSDの週足チャートです。
一般的な上昇トレンドを描いているチャートですね。
ただ、安値は切りあがっていますが、上値が重いように感じられます。
水平線を引いてみると、前回高値を超えられずに下降していく場面が数カ所あることがわかります。
今後、このレンジをいつ上抜けするのかがポイントになるかと思います。
しばらく上昇を止められている分、再度上昇が始まるときは強く上昇していく可能性が高いと思います。
また、直近の値動きは上値の水平線に何度かタッチしていますので、そろそろ抜けてきそうな値動きをしていますね。
焦ってロングエントリーすると逆行されてロスカットされちゃいますが、乗り遅れないように逐一チェックしておきたいところです。
- 長期的には上昇トレンドが継続中。
- 2020年ごろからはレンジ相場。
- そろそろレンジを上抜けしそうな流れ。
ゴールドの日足:横ばい→上昇トレンド?
次は、XAUUSDの日足チャートです。
全体的には、パッと見でトレンドが見えないのでレンジ(トレンドレス)な相場と言えます。
ただ、2023年11月からは(高値・安値を切り上げてるので)上昇トレンドですね。
週足チャートで引いた青の水平線は、何度か最高値の更新を阻まれているラインです。
一瞬ヒゲでラインを超えていますが、ローソク足の実態で抜けていないので、結構意識されているのかなぁと考えられます。
エリオット波動をカウントしていると、2023年10月の安値をスタートとすると、現在5波まで終わった感じに見えます。
なので、このラインを超えられずに下降していくと、再度レンジ内での値動きが再開されると思われます。
ただ、日足チャートを縮小して見ると、大きな波でのエリオット波動第3波の最中、と捉えることもできます。
そのため、このラインを上抜けすれば、第3波継続と考えるトレーダーが増え、再度強く上昇していくのかなぁと思います。
いずれにしても、中期的にはこのラインを超えるかどうかがポイントになります。
なので、基本はロング目線ですが、ラインあたりまで価格が来たときはトレードせずに「待ち」たいところ。
- 大きな流れはレンジだが、直近は上昇トレンド
- 直近の値動きは、エリオット5波終了に見える
- 大きな流れは、エリオット3波中にも見える
- 基本はロング目線だが、ライン付近ではトレードをストップして様子見
シルバー(XAG/USD)のチャート分析
ゴールドと相関があるシルバーのチャートをチェックします。
ゴールドとシルバーは相関関係
…ゴールドとシルバーは同じような値動きになる。
シルバーの週足:上昇→三角持ち合い
まずはゴールドど相関関係になりやすいシルバーの週足チャートからチェックします。
ものすごく強い上昇があった後、やや下降しながらも三角持ち合いの形になってきています。
周期的には1~2年の間に再度上昇していくのかなぁと考えています。
もちろん、下降していく可能性もありますが、ゴールドと同様にシルバーも稀少性の高い商品になりますので、超長期でいうと価値は上昇していくものと考えられます。
そのため、ショートよりロングの方が勝率が高いかと思います。
シルバーの日足:三角持ち合いが続く
次は、シルバーの日足チャート。
週足で見たとおり、三角持ち合いの状態が続いています。
現在の価格は下側のトレンドラインの下限にタッチ後、反転して少し上昇しているところです。
このトレンドラインで3度止まっているためトリプルボトムの形となっています。
また、トリプルボトム3回目ではさらにダブルボトムもつけてくれたので、かなり上昇する根拠になりうるところですね。
ただ、直近の値動きは下降トレンドですので、ロングエントリーでは逆張りになりますので控えめな利確を心掛けたいところ。
上昇トレンドに転換したところでガッツリ利益を取りたいですね。
実際にエントリーするとすれば、ゴールドの日足チャートではまだラインへの反発が見られませんが、シルバーではすでに反発・上昇してくれているので、まずはシルバーでのトレードの方が優位性が高いですね。
長期的には上昇トレンド
三角持ち合い(上昇と下降の値幅が狭まっている)状態
直近は下降が強めだが、トリプルボトム&ダブルボトムがあるのでロングを狙える
参考:USDJPYの値動き
「ゴールド&シルバー」と「米ドル/円」は逆相関関係
…ゴールドとUSD/JPYは反対の値動きになる。(他のUSD関連通貨ペアでも可)
※円のファンダでも変動するため連動性は高くない
次は、ゴールドと逆相関になりやすい米ドル/円のチャートを見ていきます。
ただ、ゴールドとドル円は円が絡むこともあり、シルバーほど信用性は高くありません。
(円のファンダでドル円が変わる場合もあるため)
そのため、ホントに参考程度に留めておく方がいいかもしれません。
ということで、ドル円の4時間足だけチェックしておきましょう。
基本的には上昇トレンドですね。
ここでトレンド転換して下降してくれていればゴールドを買う根拠の一つになってくれていましたが、直近の値動きは上昇していますので、逆相関を根拠にするなら買いにくくなりました。
ドル円の詳細な分析は↓の記事で解説していますので、よろしければ…。
ゴールドのエントリーポイント
エントリーするには、自分の中でいくつかのシナリオを考えておき、そのとおりの値動きになったらエントリーしようと心がけています。
その方が自信をもってポジションを保有できますので、動揺してヘンなところで損切りや利確をしなくて済みます。
シナリオはすべて4時間足チャートで行います。
つまり、やや中長期(スイングトレード)目線でのトレードとなります。
シナリオ1:上昇の兆しが見えたらロングエントリー
前提として、今すぐエントリーするのはギャンブルになりやすいと思います。
とりあえず、チャネル(レンジ)下限のトレンドラインで何度か下降を止められているような値動きになっていますので、今から上昇していく可能性は高いでしょう。
ただ、それでも100%上昇するかは誰にもわかりませんし、できれば勝率が高いエントリーをしたいところです。
値動きは多数決です。
そのため、大多数のトレーダーの皆さんが「あ、コレ上昇するわ。」と思うような値動きになったときにロングエントリーすればいいことになりますね。
なので、エントリーのタイミングを図る流れとしては・・・
- 直近の最高値を起点としたトレンドラインを引く
- 値動きが上昇してトレンドラインを超える
- その後、下降してくるが、そのトレンドラインで止まる
- 再度上昇していく
- エントリー
↑の流れになったときにエントリーすれば勝率が高くなります。
ちなみに、このシナリオでエントリーしたとすれば、損切りは直近安値の少し下あたりになるかと思います。
また、利確は直近高値あたりか、レンジ上限の青ラインかのどちらかになります。
リスクリワードは直近高値でも1.5、レンジ上限まで保有できれば2.5ぐらいありますので、悪くはないポイントではないかと思います。
また、多少勝率が落ちてもリスクリワードをよくしたい、エントリーチャンスを逃したくない、という人は今すぐロングエントリーしてもいいかもしれません。
確かにこのラインは既に何度も止められているので、値動きが3回止められた(トリプルボトムを形成した)という根拠でロングエントリーするのもアリかもしれません。
ちなみに、今エントリーして予想どおりの値動きになったら、リスクリワードが2.5~4.4もありますので、勝負するのも一つの手です。
シナリオ2:下降の勢いが強ければ待ち
こうなったらトレードしないシナリオも考えておきます。
それは、今見ているトレンドラインを下抜けて、そのままズルズルと下降していくパターンのときです。
このような値動きになったら、いったんロングエントリーは諦めます。
また、チャートがエントリーしやすい形になるまで待つのもトレーダーの仕事です。
ただし、このピンクのトレンドラインがどこまで有効なものなのかはわかりませんので、もしかすると、直近安値である白の水平線のどこかで反発して再上昇していくこともあるかもしれません。
そうなったら、その値動きから上昇しそうだと判断できればそこからロングすることもできそうですね。
(例えば、ダブルボトムなどのチャートパターンが出たときなど)
シルバーのエントリーポイント
シナリオ1:リバ取り(トレンド転換)を狙ってロング
シルバーは現在下降トレンドですが、日足でのトリプルボトム&4時間足でのダブルボトムを根拠にリバ取りを狙う方法です。
想定シナリオとしては、現在値から上昇していき、まずは直近高値である23.25までは上昇すると推定します。
そのため、利確目標はいったんそこまでとして、それ以上に伸びていきそうなら押し目買いも検討します。
勝率的には悪くないと思います。
損切りはダブルボトムで止められているトレンドラインの少し下あたりに設定し、利確はとりあえず直近高値にします。
これで、リスクリワードが1:1.6ぐらいあります。
- エントリー根拠は「日足でトリプルボトムを形成、4時間足でダブルボトムを形成」
- 赤のトレンドラインを上抜け&リターンムーブでもラインより下がらなければ勝率が高い
- 逆張りのため利確は欲張らない
シナリオ2:下降トレンドが継続する
次のシナリオはラインを下抜けて下降トレンドが継続していくパターン。
これは今の下降の流れが止まらずにラインを下抜けていくため、順張りでの戻り売りを狙うことになります。
今すぐに落ちていかないかもしれませんが、シナリオ1で一度上昇した後に、再度下降してきてラインを下抜ける可能性もあります。
ラインが機能せずに下抜けたと判断できれば、その流れに乗っていくのはいい選択肢かと思います。
ただ、ラインで止まるかどうかの見極めが難しいかなぁと思います。
何せ白のトレンドライン(ダブルボトムで止まった支持線)と赤の水平線(直近安値)が交差しているゾーンになりますので、このあたりを明確にした抜けしてくれないとショートしにくいです。
また、ゴールドが上昇トレンドになっていることから、長期的にはショートよりロングの方が優位性があります。
少し難しい局面ですね。
この想定どおりの値動きになるならば、エントリーポイントは白ラインを下抜けしたあたりとします。
損切りは、白ラインの少し上、利確は下側の赤ライン(日足の直近最安値)までとします。
リスクリワードは1:4もありますので、狙えそうなら爆益を生み出すことができますね。
- 根拠は「4時間足では下降トレンド」だから…順張り
- 明確に白と赤のラインを下抜けたところでショートするのが一番勝率が高い(リスクリワードは悪くなるが…)
- しばらく待って様子を見るのも選択の一つ
結果…
2024.2.12 9時頃にシルバーでロングエントリーしました。
もう少し下の方でエントリーできればよかったのですが、ちょっとエントリーが遅れてしまいました。
まぁ、これでもリスクリワード1:1なので勝率的にはギリギリOKです。
あとは想定どおりに動くか、想定どおりに利確・損切りできるかが問題ですね。
結果が出たら、本記事に追記しますのでお楽しみに♪
2024.2.12 22:00
利確&損切りしました。
結論から言うと、反省が残るトレードでした。
一度下がったところで値動きを見てピラミッティング(追加エントリー)をしました。
その後一度急激に上昇するので成功したと思ったのですが、その後急下降してきたので、大陰線をみて2つのポジションをまとめて決済しました。
よく分析すればわかったのですが、上昇の起点をエリオット波動1派とすれば、1派の値幅分を3波として伸びていることがわかります。
ピラミッティングせずに謙虚に利確しておけばよかったですね。
まぁそれでも少しは利益を残すことができましたので、次回のトレードに生かしたいと思います。
今回の分析に使用したツールは「TradingView(トレーディングビュー)」というチャート分析サイトです。
インストールなどは必要なく、だれでも無料で使うことができます。
また、為替だけでなく、株価や先物などの商品でも使え、スマホとPCの連携もリアルタイムにできるため、とっても便利です。
まだ使ったことがない人は試してみてください。