証券コード8593 三菱HCキャピタルという銘柄分析をしてみました。
この銘柄を買おうかどうか迷っている人、塩漬け状態の人、どこで利益確定しようか迷っている人の参考になれば幸いです。
- 三菱HCキャピタルはリース業
- 業績は好調
- 高配当銘柄としては超優秀
- オススメの買い時は〇〇円
- まとめ
1.三菱HCキャピタルはリース業
三菱HCキャピタルは、2021年4月に三菱UFJリースと日立キャピタルが統合したものです。
事業内容はとっても幅広いのですが、メインとなるのはリース業になります。
リースとは…レンタルの大規模版
- 顧客(企業や自治体など)が希望する商品や設備などをリース会社が代わりに購入。
- リース会社がその商品などを顧客に貸し出す。(長期間)
- 顧客は代金(月々のリース代)を支払う。(サブスクに近いイメージ)
リースは、顧客としては初期投資を抑えられて設備投資することができるし、設備の入れ替えがカンタンにできるというメリットがあります。
リース会社としては、初期費用がかかりますがその後は安定的に収入を得ることができるので、不動産の家賃収入のようなイメージです。
顧客・リース会社・メーカーの全員にメリットがある「三方よし」の商売ですね。
今後の事業展開は3つの柱
会社の中長期的方向性は「SX・DX」×「CX」(Corporate Transformation:全社的変革)の実行と明記されています。(2022年3月期 決算概要資料より)
- 新ビジネスの開発
- 既存ビジネス→高付加価値サービス
- 既存ビジネスの収益力強化・効率化
要するに、「今まで以上にいろいろなことを始めて稼ぎまっせ~!」ってことですね。
既存事業であるリース業で満足するだけでなく、今後も成長を続ける姿勢があるので今後も期待が持てますね。
2. 業績は好調
売上・利益は右肩上がり↗
まず、売上と利益面をチェックしてみましょう。
2022年に急上昇しているのは合併があったからです。
ですが、それ以前は緩やかですが右肩上がりに伸びてきています。
特に、売上については過去最高値を更新し続けており、会社として成長していることがわかります。
EPS/BPS、配当も右肩上がり↗
続いてEPS・BPS、配当をチェックします。
EPS・BPSともにキレイな右肩上がりに伸びていますね。
EPSがここ最近は少し落ちてしまっているのが気になりますが…まぁ許容範囲でしょう。
配当はすごいですね。
毎年増配しています。
配当利回りは直近では4.9%もあり、税引後でも4%を狙える高配当株です。
また、配当性向は40%とまだまだ余裕がありますので、とりあえず減配される恐れは少ないでしょう。
配当性向とは…
会社の純利益の中からどのくらい配当を出しているかを表したもの。
この値が100%に近くなると、利益の大半を配当に使っていることになる。→成長余地が少ないことになる。
配当性向(%)=1株あたりの配当額÷1株あたりの当期純利益×100
その他の指標をチェック
あとは、それ以外の指標もサクッ確認しておきます。
2022.11.21現在の株価は636円です。
100株買っても63,600円ですので、投資しやすい価格帯なのは嬉しいですね。
時価総額は9,133億円あり、リース業というカテゴリでは「8591:オリックス」に次ぐ2位の規模になります。
PERは8.3倍です。
株式市場全体の平均が15倍といわれていますが、リース業でいうと10を割っているところがほとんどです。
そのため、そこまでの値ごろ感はありません。
ROEは6.5%です。
一般的に10%以上であれば経営が優秀といわれています。
ココはもう少し改善できればいいですね。
自己資本比率は13.8%です。
パッと見、かなり低いので「大丈夫なのか?」と思われる人がいるかもしれませんね。
しかし、問題ありません。
銀行業と同じようなビジネスモデルであるため、自己資本比率はそこまで高くないのがこの業界です。
リース業では自己資本比率はあまり重要ではありません。
- 売上・利益は着実に積みあがっているが、リース業のため良くも悪くも安定している。
- そのため、現在の収入・利益が爆上がりしない限り株価がドーンと上がることはない。
- 売買益(キャピタルゲイン)はあまり期待できないかも。
次は、気になっている配当についてもう少し深掘りしてみましょう。
3.高配当銘柄としては超優秀
この銘柄のすごいところは「23年間連続増配」しているところです。
つまり、毎年配当の額が増えているということ。
これは、投資家からすればめっちゃ嬉しいことですね。
毎年お小遣いが増えているようなものですから。
会社としても「儲かった利益は投資していただいてる株主に還元する」という意思が強いことになり、投資家側も安心して投資を続けることができます。
三菱HCキャピタルは、日本株の連続増配年数ランキングで上位にランクインしている常連銘柄です。
ちなみに、1位は花王(4452)で連続増配年数は驚異の31年!
会社の配当への姿勢としては「配当性向40%」を基本としているようです。
株主優待はありませんが、その分増配をしてくれていますので理にかなっているのではないでしょうか。
ちなみに、2023年3月期の配当は31円の予想で、配当性向は40.5%になるそうです。
100株買って63,600円、それで3,100円もらえますので配当利回りは4.9%あります。
銀行などの利息なんかとは雲泥の差がありますね。
- 23年間連続増配中
- 23.3月期の配当額:1株31円(予想)
- 配当利回り:4.9%
- 配当性向:40%
次は、どのタイミングで買えば一番オトクなのかについて考えてみます。
4.オススメの買い時は550円
株の買うタイミングを知るにはチャートを見る必要があります。
↓のチャートは2000年から2022年までの価格の推移を表したものです。
ところどころガクンと下がっているところがありますが、全体的には上昇していることがわかります。
2008年につけた143円を起点とすると、そこからは順調に価格が上がっていますね。
そして、2018年に過去最高値である760円をつけました。
その後は横ばい、レンジのような動きが続いています。
レンジ範囲としては…
上限:700円
下限:500円
といったところです。
そのため、どうせ買うならレンジ下限である500円ぐらいで買いたいですね。
次に、最近の値動きをチェックしてみます。
↑のチャートは2020年1月から2022年11月までの値動きを表したものです。
このチャート上では、最安値が437円、最高値が728円です。
ザックリいうと450円~700円の間で価格が動いていることになります。
ということは、450円ぐらいまで下がってくるまで待つのが一番効率的な買い方ですね。
でも、待つリスクもあります。
それは、その価格(450円)まで下がることなく上昇していくパターンがある、ということ。
今後、グングンと上昇していってしまい、何年待っても買えないという状態になるのは悔しいですしもったいないですね。
そのため、段階的に購入する方法をオススメします。
例えば、現在値が636円ですので…
- 600円になったら買い
- 550円になったら買い
- 500円になったら買い
- …
こんな感じでちょっとずつでもいいので、自分が決めた価格まで下がったときに積み立てていく感じで買っていけば機会損失を防ぐことができると同時に安く仕込むことができます♪
チャート的にはレンジを形成していて、今すぐ上昇or下降するような値動きにはなっていないので、ナンピン買いのような戦略が効果的だと思います。
ただし、この買い方は長期保有することを前提にしていますので、短期売買で利益を得ようとする手法には向きません。
個人的には長期・短期のチャートから分析すると550円あたりで買うのが一番オススメです。
まとめ
最後に、今まで分析した結果をまとめてみます。
事業内容 | 総合リース業+α |
業績 | 売上・利益は右肩上がりだが急激に株価上昇するインパクトはない |
配当 | 毎年増配・利回り4.9%が魅力♪ |
成長性 | 新ビジネスの開発次第だが… |
安定性 | 既存ビジネスは好調なので安定感は十分 |
買い時 | 550円が買いの目安(下がったときに少しずつ買う戦法) |