税金 PR

iDeCoのメリット・デメリットまとめ

iDeCoのメリット・デメリットまとめ
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

iDeCo(イデコ)とは?

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは、自分で金融商品を選んで運用して、60歳以降に受け取るための資産を積み立てていく制度のことです。
要するに「自分で作る年金制度」ですね。

自分で毎月の掛金(投資する資金)や運用方法を選ぶことができて、60歳になったらそれまで掛けてきたお金や運用益を受け取ることができます。

また、掛金・運用益・給付受取時の3つでそれぞれ税金が軽減されるようなしくみになっています。

わかりやすいように、貯金とiDeCoを比較してみましょう。

<参考> 貯金とiDeCoの運用比較(月々1万円を積み立てた場合)

比較項目貯金通常の投資信託iDeCo
運用益年利0.01%で計算
…20年で約1,700円(税込)
年利3.2%で計算
…20年で85万円(税込)
年利4%で計算
…20年で120万円(非課税)
運用益にかかる税金20.315%20.315%非課税
減税制度なしなし掛金は所得控除の対象
1年で3.6万円減税効果…20年で72万円
20年後の資産2,401,700円4,320,000円
※年利は一般的な株式投資での運用利回り。減税は個人の所得等により変動。(所得税20%,住民税10%で計算)

↑の表を見てもらえればわかりますが、月1万円をそのまま貯金しておいても微々たる金利しかもらえませんが、同額をiDeCoで運用すれば掛金の約2倍になって返ってきます。

これは20年での運用ですので、20代~30代から始めると、それだけ運用期間が長くなるためもっと資産が増えていきます♪

つまり、早く始めれば始めるほどオトクとなっている制度なのです。

iDeCoのメリット

iDeCoのメリットは何といっても節税。
特に節税対策に乏しい給与所得者(サラリーマン)の強い味方になってくれます。

また、自分の資産を増やすという観点からも、投資初心者に優しい作りになっているのでオススメです。

メリット① 積立時:所得税が減額される!

毎月の掛金が所得控除の対象となり、所得税と住民税が減額されます。
ちなみに、所得控除の区分は「小規模企業共済等掛金控除」というものになります。
※国税庁サイト:小規模企業共済等掛金控除

サラリーマンの方は年末調整で、個人事業主の方は確定申告をすることで所得税&住民税の減額(還付)を受けることができます。
これはNISAにはないメリットですし、iDeCo最大の特徴です。

(例)毎月1万円を運用すれば、確定申告(年末調整)で12万円分の所得控除が適用され、年間3.6万円の税金が減額されます。(所得税20%、住民税10%の場合)

メリット② 運用時:儲かった利益に税金がかからない!

通常、貯金や株式投資などを行うと、利子や運用益(儲かった利益)の20.315%分が税金として差し引きされますが、iDeCoであれば非課税です。

仮に、年間10万円の利益があった場合、20,315円が税金として差し引かれますので、79,685円が手元に残ることになりますが、iDeCoの場合はそのまま10万円を受け取ることができます。

そのため、運用益分も再投資することができ、お金が増えていくスピードが早くなります。(複利のチカラを最大限発揮できる♪)

メリット③ 受取時:税金がかかりにくいような制度あり

60歳になったときに投資していた資金を受け取りますが、3種類の受取方法を選択できます。

比較項目一括(一時金)分割(年金型)併用
受取方法一括で受け取る毎年受け取る一部を一括+残りを分割
減税タイプ退職所得控除(税額:小)公的年金控除(税額:中)退職所得控除+公的年金控除
非課税枠800万円(20年運用の場合)
※他の退職所得と合算
毎年60万円
(65歳以上は毎年110万円)
※他の公的年金と合算
←組み合わせ

受け取り方は人によりどれが有利かは変わってきますが、一般的に有利とされているものは「一時金」で受け取る方法です。
というのも「退職所得控除」が税金がかかりにくい有利な構造になっているからです。

退職所得控除について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

トクする退職金の受け取り方
トクする退職金の受け取り方 -あまり教えたくない節税対策つき♪- 退職金が支給されると税金がかかります。主な税金は「所得税」「住民税」の2つ。 ただ、受け取り方によって税金の計算のしかたが変わる...

メリット④ 受け取るタイミングは自分で選べる

iDeCoの受け取ることができる期間は、60歳から75歳までの間です。
仮に、60歳で受け取ろうと考えていたときに、自分が運用している金融資産が暴落中であった場合は、そこで受取りを確定してしまうと損する場合があります。
そのため、受取時に相場がどのような状況にあるのかを確認した後で、自分の好きなタイミングで受け取りすることができるのはメリットと言えます。

また、退職金をもらえる人で、iDeCoも一時金(一括)でもらう選択をする場合、退職所得控除を差し引いても所得がある場合は税金が高くなる場合があります。
そのような場合、時期をずらして一括受け取りするか、年金型(分割)して受け取る、という選択もできます。

いずれにしても、受取時の出口戦略は50代後半頃から考えておく方がいいですね。

メリット⑤ 優良な投資信託商品を厳選済

通常、投資信託を購入するときは膨大な商品の中から自分で比較・検討しなければなりません。

また、商品によって購入手数料、信託報酬などもピンキリで、運用実績が悪いものもあったりして、最適な商品を選ぶのが難しかったりします。
ちなみに、NISAは約300もの商品があるため、投資に慣れている人ならともかく、あまり詳しくない人にとってはどれが良い商品なのかはわかりません。

ただ、iDeCoで取り扱われているものは、国が「証券会社で取り扱う商品数は35以下にしてください。あと国で許可した商品しかダメだよ。」という決まりがあります。
そのため、ハズレ商品がほとんどなく、低コストであったり、安定的なリターンを出してくれる商品などを厳選してくれているので、初心者でも投資に失敗しにくいです。

<参考>指定運用方法及び当該指定運用方法を選定した理由の公表

オマケ:元本確保商品あり&月々5,000円から

iDeCoで運用するなら投資信託を選択する人が多いと思いますが、元本割れのリスクがあるのはイヤ!という人のために、定期預金などの元本確保商品もあります。

これはNISAにはない商品であり、どうしても元本割れするのは心理的にイヤという人のための商品です。
ただ、個人的にはオススメしません。
なぜなら、iDeCoを運用するのには対象なりとも手数料がかかっていますので、ほとんど利益がない定期預金などに投資するのはコスパが悪すぎます。
むしろiDeCoでやるメリットがほとんどありませんので、定期預金を選ぶぐらいなら、まだローリスクである債券の方がいいと思います。

また、iDeCoの月々の掛金は5,000円から1,000円刻みで掛金を選択することができます。
月々5,000円なら貯金の代わりとしてほったらかし投資することができますね。

iDeCoのデメリット

iDeCoはメリットばかりが重視されがちですが、当然デメリットもあります。

デメリットを理解した上で加入するかを検討しましょう。

デメリット① 加入できる人は20歳から65歳まで

iDeCoに加入できる人は20歳以上65歳未満と決まっています。

<参考>iDeCoに加入できる人・できない人の一覧

加入区分(国民年金)加入対象となる人対象外
第1号被保険者20歳以上65歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生など・農業年金の被保険者
・国民年金の保険料納付を免除されている人
第2号被保険者厚生年金の被保険者(会社員・公務員など)・企業型確定拠出年金が各月拠出ではない人
・企業型確定拠出年金(企業型DC)のマッチング拠出(加入者掛金拠出)を選択した人
第3号被保険者厚生年金の被保険者に扶養されている20歳以上65歳未満の配偶者
任意加入国民年金に任意で加入した人
・60~64歳で国民年金保険料の納付期間が480月未満の人
・20~64歳の海外居住者で、国民年金保険料の納付期間が480月未満の人
※2022年5月からの改正で、加入できる年齢が60歳から65歳まで延長されています。
厚生労働省サイト:iDeCoに加入できる年齢の要件などが拡大されます.pdf

上の表はめちゃ細かいですが、要するに「ほとんどの人はiDeCoに加入できる」ということです。
ただし、公的年金を65歳になる前に受け取ることができる「繰り上げ受給」をしている人は64歳以下であってもiDeCoに加入できません。

デメリット② 60歳まで引き出せない

iDeCoは基本的に個人年金としての制度なので、60歳になるまで資金は凍結されてしまいます。
ただ、条件を満たせば解約することも可能ですが、基本的にはできないと思ってください。

また、50歳以降にiDeCoに加入したときは、受取時の年齢も少しづつ引き上げられてしまいます。
これは「通算加入者等期間が10年以上」という縛りがあるためです。
例えば、53歳からiDeCoに加入した場合は、受取可能となる年齢は62歳からとなります。
詳細は以下のとおり。

iDeCo加入年齢受給可能年齢
51歳~52歳61歳
53歳~54歳62歳
55歳~56歳63歳
57歳~58歳64歳
59歳~60歳65歳
61歳~64歳加入から5年を経過した日

一度iDeCoを受け取ってしまうとそれ以上掛けることはできなくなりますが、60歳を過ぎても積み立てを継続する場合は65歳まで掛金の拠出が可能です。
また、運用自体は75歳まで継続できます。

デメリット③ 運用で損する可能性がある(リスクがある)

どの金融商品で運用するかにもよりますが、ハイリスク商品に100%つぎ込んでいる場合、最悪元本割れする可能性はあります。

ただ、基本的には「長期・分散投資」という運用になるため、たとえハイリスクと言われる新興国株式であっても、長期的には上昇していくことがほとんどのため、15年以上運用すればマイナスになる可能性はほぼ0%になります。

また、受取時点で運用益があまり出ていない場合や暴落中の場合などは、受け取るタイミングをずらすこともできますので、あまり神経質にならないでもいいかと思います。

デメリット④ 手数料がかかる

iDeCoに加入するときや商品を運用するとき、年金型で給付金を受け取るときなどに手数料がかかります。

NISAで運用する場合は、ほとんど手数料がかからないため、iDeCoのデメリットと考えられます。
ただ、その代わりに掛金が所得控除になる(減税される)という制度があるため、一長一短かなぁと思います。

また、手数料がかかるといっても、それ以上に長期運用するときの節税メリットとその運用益の方が高いので、ココは妥協するしかないかなぁと思います。

デメリット⑤ 最初だけ手間がかかる

自分がやってみてわかったのですが、iDeCoに加入して商品を決定するまでに多少なりとも時間と手間がかかります。

まず、証券会社等に口座を開き、(会社員・公務員の場合は)職場に書類を書いてもらって、書類を送付して、手続きが終わったら金融商品を選んで…とやることがあります。

ただ、ココの初期登録等の手続きは簡素化が進んでいるようなので、以前よりはカンタンになっているかもしれません。
また、2024年12月からは、登録時の事業主の証明書が不要になる改正があるため、始めるための敷居が少し低くなります。

iDeCoのメリット・デメリットまとめ

↑で紹介したiDeCoのメリットとデメリットをまとめました。

結論から言うと、デメリットを上回るぐらいのメリットがありますので、特に給与所得者(サラリーマン)は一度検討してみてはいかがでしょうか。

メリットデメリット
・積立時:掛金が全額所得控除・加入できる人は60歳未満
・運用時:運用利益が非課税・60歳まで引き出せない
・受取時:一定額まで非課税・税制優遇制度あり・運用で損するリスクがある
・受取タイミングは自分で決められる・手数料がかかる
・優良な投資信託商品を厳選済・加入時に手間がかかる
iDeCoをオススメできる人
  • 会社員、公務員の方(節税対策がしにくいから)
  • 課税所得が大きい事業主(節税メリットを生かせる)
  • 20~50歳までの人(長期運用することで非課税枠を生かせる期間が長いから)