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敷金は収入にならない?不動産収入の算定基準

敷金・保証金は収入じゃない?
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お金持ちに必須の知識である税金についてサクッと解説します。

なるべくカンタンでわかりやすく解説することを心がけています。
また、なぜそうなるのか?ということを裏付ける根拠も載せています。(税法付)

税理士や税務職員の皆様でも参考にできるようにしっかりと確認しておりますのでご参考ください。

不動産の収入

不動産の収入になるものは「[Q&A] コレって不動産所得になるの?(根拠付)」で解説していますので参考にしてください。

ここでは1年間の不動産収入のまとめ方や、こんなときは収入として計上するの?ってことを解説します。

一般的な原則

その年中に収入があることが確定している金額は収入となります。
そのため、実際に収入を得ているかどうかは関係ありません。

状況 収入とする時期 法的根拠
契約、慣習などで賃貸料の支払期日を決めているとき決まっている支払日所基通36-5(1)
支払期日が決まっていないとき・請求があったときに支払う:請求日
・それ以外:実際の支払日
所基通36-5(1)
継続的記帳等一定要件に該当その年中の貸付期間に対応する賃貸料の計上OK昭48直所2-78

マンションの家賃が3ヵ月分滞納されているから
収入は9ヵ月分だよね?

違うよ~。

家賃は毎月受け取るものだから
もらってなくても12ヵ月分の収入になるよ。

契約上「毎月〇日に支払う」ことが明記されていれば、たとえ家賃を受け取ってなくても12カ月分の収入があったことになります。

敷金・保証金

基本的には「預かり金」扱い(借主が立ち退くときに返すもの)なので、収入に含めません。

ただし、敷金・保証金の取り扱いについて、↓のような契約内容のときは収入に算入する必要があります。(所基通36-7)

ココがちょっとややこしいところですね。

状況 算入する年分
返還しない部分の金額契約日の年分
賃貸期間の経過によって返還しない金額が増えるときの増加部分の金額増加することとなる年分
解約などのときに返還しなかった金額が「変換しない部分の金額」より多かった場合の超えた金額解約などがあった年分

(例)敷金50万円で、敷金の返還条件が「2年以内に解約すると85%返還、2年以上だと90%返還」としていたとき

・大家側からすると、最低でも10%は手元に残ることになるため
契約年の収入:50万円×10%=5万円 ← 契約年の収入に追加

・ 1年後に解約された場合、15%手元に残ることになるため
解約年の収入:50万円×(15%-10%)=25,000円 ← 解約年の収入に追加

その他の収入

↓のようなものも不動産収入に含まれます。

間違いやすいものでいうと、賃貸物件に設置している太陽光発電の売電収入とか、入居者からの水道光熱費も不動産収入になるってところです。

・不動産の貸付による一時的に受ける頭金、権利金、名義書換料、礼金、更新料など
・入居者からの水道光熱費、共益費
・建物の破損などの弁償金
・賃貸アパートに設置した太陽光発電の売電収入
・契約解除した後の明渡し遅延による損害賠償金

法的根拠

所得税基本通達

法第36条《収入》関係

(不動産所得の総収入金額の収入すべき時期)

36-5 不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、別段の定めのある場合を除き、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

(1) 契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日支払日が定められていないものについてはその支払を受けた日(請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日)

(2) 賃貸借契約の存否の係争等(未払賃貸料の請求に関する係争を除く。)に係る判決、和解等により不動産の所有者等が受けることとなった既往の期間に対応する賃貸料相当額(賃貸料相当額として供託されていたもののほか、供託されていなかったもの及び遅延利息その他の損害賠償金を含む。)については、その判決、和解等のあった日。ただし、賃貸料の額に関する係争の場合において、賃貸料の弁済のため供託された金額については、(1)に掲げる日

(注)

1 当該賃貸料相当額の計算の基礎とされた期間が3年以上である場合には、当該賃貸料相当額に係る所得は、臨時所得に該当する(2-37参照)

2 業務を営む賃借人が賃借料の弁済のため供託した金額は、当該賃借料に係る(1)に掲げる日の属する年分の当該業務に係る所得の金額の計算上必要経費に算入することに留意する。

(頭金、権利金等の収入すべき時期)

36-6 不動産等の貸付け(貸付契約の更新及び地上権等の設定その他他人に不動産等を使用させる行為を含む。以下36-7までにおいて同じ。)をしたことに伴い一時に収受する頭金、権利金、名義書換料、更新料等に係る不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、当該貸付けに係る契約に伴い当該貸付けに係る資産の引渡しを要するものについては当該引渡しのあった日引渡しを要しないものについては当該貸付けに係る契約の効力発生の日によるものとする。ただし、引渡しを要するものについて契約の効力発生の日により総収入金額に算入して申告があったときは、これを認める。

(返還を要しなくなった敷金等の収入すべき時期)

36-7 不動産等の貸付けをしたことに伴い敷金、保証金等の名目により収受する金銭等(以下この項において「敷金等」という。)の額のうち、次に掲げる金額は、それぞれ次に掲げる日の属する年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入するものとする。

(1) 敷金等のうちに不動産等の貸付期間の経過に関係なく返還を要しないこととなっている部分の金額がある場合における当該返還を要しないこととなっている部分の金額
・・・36-6に定める日

(2) 敷金等のうちに不動産等の貸付期間の経過に応じて返還を要しないこととなる部分の金額がある場合における当該返還を要しないこととなる部分の金額
・・・当該貸付けに係る契約に定められたところにより当該返還を要しないこととなった日

(3) 敷金等のうちに不動産等の貸付期間が終了しなければ返還を要しないことが確定しない部分の金額がある場合において、その終了により返還を要しないことが確定した金額
・・・当該不動産等の貸付けが終了した日