株で損したら確定申告した方がトク!
今年から株式投資を始められた方は必見の情報です。
結論からいうと、株で損失が出てしまったときは確定申告する方がオトクです。
なぜかというと、株の赤字(マイナス)は翌年に繰り越せるからです。
逆に、確定申告しないと繰越ができませんので、忘れずに申告しておきましょう。
そもそもマイナスの繰越って何のために?
ココを知らない人はいないと思いますが、株の取引で利益があったときや、配当金をもらったときは税金が差し引かれています。
(ここでは「源泉徴収あり特定口座」で運用しているものとして解説します。)
そのため、普通に1年間で利益がプラスで終わった人は、その利益の中から自動的に税金が引かれているため確定申告する必要はありません。(例外的に申告した方がトクすることもあります。)
逆に、利益がマイナスになってしまった人には、救済措置として翌年プラスになったときにマイナス分を相殺してあげますよ、という制度があります。
ただ、この制度を使うためにはいくらマイナスが出たのか申告しといてね、という条件があります。
よって、マイナスの申告はメリットはあってもデメリットはありませんので、しないと損します。
繰越損失シミュレーション
損失を繰越したときの一例を紹介します。
H28年 2016年 | H29年 2017年 | H30年 2018年 | R1年 2019年 | R2年 2020年 | |
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年間損失 | -100万円 | 取引なし | 30万円 | -40万円 | 50万円 |
前年からの繰越損失 | なし | -100万円※1 | -100万円※2 | -70万円※3 | -40万円※1 |
翌年への繰越損失 | -100万円 | -100万円 | -70万円 | -40万円 | 0円 |
相殺後の課税所得 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 10万円 |
<補足説明>
H28年 | 100万円の損失が出たので確定申告。 →翌年以降3年間(H29,H30,R1年)繰越できるようになった。 |
---|---|
H29年 | 取引しなかったので利益も損失もナシ。 でも、去年の損失あるので確定申告して繰越する。 |
H30年 | 30万円の利益が発生。 H28年の損失を使って税金の還付を受けられる。 残りの繰越損失:70万円 |
R1年 | 40万円の損失が発生。 去年からの繰越70万円と合わせると110万円の損失…だが。 繰越できる3年間を超えたたため、来年に繰り越せるのは40万円分だけ。 |
R2年 | 50万円の利益が発生。 去年の繰越40万円分を差し引いて、10万円の所得となる。 繰越額は0円にリセット。 |
<ポイント>
- すべての年で確定申告する必要があります。(申告しないと繰越できません。)
- 取引していない年も申告が必要です。(繰越します、という申告。)
- 繰越できる期間は翌年の申告分からMAX3年分まで。
マイナスの繰越申告はまとめて申告できる
ここまで読んでくれた人は
「あーあ、2年前に損失あったけど確定申告するの忘れてたわ。…終わった。」
って気を落としている人がいるかもしれません。
でも大丈夫です。
確定申告していないのであれば、今からやればいいんです。
というのも、確定申告は過去5年分さかのぼって申告することができます。
そのため、2年前の損失を今から申告して、去年・今年に利益が出た分と相殺する申告ができますよ。
ポイントとしては、古い年分の確定申告書から作ること、です。
でないと計算ができない、というのもありますが、先に新しい年分の申告書を提出してしまうと、損失の申告が面倒になってしまいます。
一度確定申告書を提出した後に、再度申告し直す場合は「更正の請求」(修正申告)といって、通常の申告より必要な書類が増えたりして手続きが複雑化してしまいます。
ちなみに、申告書はまとめて3年分とかを提出してもOKです。
確定申告する方法は?
基本的に難しいことはありませんので、画面に従って進めていけば申告書を作成することができます。
確定申告する方法は4パターンあります。
パターン1:e-Taxでネット上で申告書を作成・送信

国税庁HP「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成して、そのままデータで送信(提出)すれば完了します。
これが一番ラクな方法ですが、データで送信するには必要なものがあります。
e-Taxするために必要なもの(↓1,2のいずれか)
1.マイナンバーカードと、マイナンバーカードを読み取るスマホorカードリーダー+PC
2.e-Tax専用のID・パスワードと、スマホorPC
マイナンバーカードを持っている人は、対応しているスマホかカードリーダがあればOK
持ってない人は、税務署に「e-TaxしたいのでIDとパスワードを発行してほしい」と伝えれば発行してくれます。(事前に本人確認が必要です)
また、e-Taxでの提出であれば源泉徴収票や支払証明書などの添付資料の提出を省略することができて便利です♪
パターン2:ネット上で確定申告書を作成して印刷・郵送

マイナンバーカードは持ってないし、ID,パスの発行も面倒だなぁ、と思ったアナタはこちらの方法をオススメします。
マイナンバーなどがなくてもパターン1と同じように「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作ることができますので、作ったファイルを印刷して税務署に郵送すれば申告完了となります。
この方法のメリットは、必要なものが少ない(マイナンバーカードとかいろいろ要らない)という点です。
逆にデメリットとしては、「プリンターが必要」という点です。
しかし、作成した申告書はpdfファイルでダウンロードできますので、コンビニ等にファイルをもっていけば印刷できますし、職場にプリンターがあればコッソリ職場で印刷してもよいでしょう。
あと、作成したデータはpdfファイルと.dataファイル(確定申告書入力データ)の2つをダウンロードできますので、忘れずにとっておきましょう。
次回申告書を作成するときに、ある程度データを引き継ぐことができますので作成がラクになります。
パターン3:紙の申告書に記入して郵送

そもそもパソコンやスマホを持ってない人、ネット環境がない人、インターネットに不慣れな人などは、しょうがないので紙の申告書に記入して提出する方法があります。
これは正直オススメしません。
なぜかというと、最近の大型税制改正のせいで申告書が更に複雑化しています。
これを自分で手計算しながら記入していくのはミスの元になりますし、非効率です。
どうしても紙じゃないと…という人は、税務署に行けば申告書がもらえますので、頑張ってください。
パターン4:税務署や市役所の申告受付窓口に行って作成・提出
もはや自分で申告書を作成することを諦めた人が取れる唯一の方法です。
税のことはよくわからん、自分で作ると間違えてたらいけないから、などの理由から他力本願での申告になる気持ちもわかりますが、基本は自主申告ですし、自分が払うべき税金ですので少しでも興味をもってなるべく自分で申告書を作成する方が自分のためになります。
ということで、こちらも個人的にはオススメしませんが、自分で作れない人は税務署や市役所が行っている申告受付窓口に行けば作成の補助をしてくれます。
税務署は4/15まで確定申告が延長されています。
が、還付申告(所得税を返してもらう申告)の場合は期限後でも問題ありません。
市役所などの窓口はお住いの市区町村のサービスによる異なりますので居住している地域のHP等をご確認ください。
参考:国税庁HP「確定申告会場にお越しになる方へ」
メリット
・無料である程度申告書を作成(アシスト)してくれるので誰でもできる。
デメリット
・その場でチェックが入るので、控除が却下されたり、細かい作成の指導を受ける。
・受付窓口はめちゃめちゃ混んでいるので待ち時間が長い。
・税務署職員と一緒に申告書を作ったからといって、その後の調査がないことはない。
NISAは確定申告の必要ナシ…だが
NISA、積み立てNISA、ジュニアNISA(まとめてNISAと呼びます)で運用している人は非課税なので確定申告する必要はありません。
しかし、NISA口座と通常の口座で別々に取引している人にとっては残念なお知らせです。
NISA口座のマイナス分と通常口座のプラス分は相殺できないのです。
申告したくてもできないのです。
例えば、NISA口座で20万円の損失、通常口座で100万円の利益があったとき…
本人としてはトータル80万円の利益のため、税金20%とすると16万円の納税になると思いたいところですが、NISA口座のマイナス分はムシされるので、100万円の利益に対する税金20万円を納付することになってしまいます。
この点がNISAの大きなデメリットの一つです。
NISAだけで取引している人は問題はありませんが、複数口座を使い分けている人はこの点に注意して運用しましょう。
(NISAで損切りするときは注意しましょうね。)
まとめ
・1月~12月の株の売買取引でマイナス(損失確定)したら、損失の繰越を申告しよう。
・申告の方法は、税務署に損失の繰越の申告書を提出すればOK。
・確定申告は過去5年分まで遡って申告し直せるので、以前のマイナスもまだできるかも。
・e-Taxで申告すればネット上で申告が完了してラク。