2023.5.12 2022年度の決算説明会がありました。
そこで、日本電信電話(以下、NTT)が「今の1株を25分割しまーす。」と発表しました。
2023.5.12時点の株価は4,108円ですので、100株買うとなると資金が41万円必要になります。
しかし、今後(2023.7.1以降)は1.6万円程度で買うことができるようになります。
これにより、私たちの超身近にある有名企業の株をサクッと買うことができるので、新NISAなどの環境と相まって気軽に投資できるようになるかと思います。
このような状況になったので、【9432】NTTの銘柄について深堀していこうと思います。
どうせ買うなら、少しでもその企業の内容を知ってから買ってみる方がおもしろいと思いますので、気になっている方は参考にしていただければと思います。
NTTの概要
NTTは説明不要の企業だと思いますが、簡単におらさいしておきます。
- 国内通信事業の最大手
- 持ち株会社制で地域電話を独占
- 携帯、光回線で高シェア
1985年に日本電信電話公社が民営化された際に発足し、現在は国内の通信インフラの整備・運用・通信サービスの提供などを行っています。
まぁみんな知っていますよね。
NTTのサービス・商品
NTTの代表的なサービス・商品は次のとおり。
- 固定電話・電報:固定電話や電報の各種手続き・便利なサービスをご案内します。
- 光ブロードバンド:光ブロードバンド関連の 商品・サービスをご案内します。
- インターネット:映像・音楽や生活サポートなど便利な インターネットサービスをご案内します。
- 携帯電話/スマートフォン:携帯電話、スマートフォン関連サービスなどを ご案内します。
- 法人向けサービス:通信ネットワーク、システム構築などを ご案内します。
- リモートワークソリューション:テレワークを導入を検討している方や、テレワークをすでに導入している方に対して、さまざまな支援・取組みを実施しています。
固定電話は今後なくなっていくと思いますが、インターネットはインフラ(必須)なので、それをガッチリ抑えているところが手堅いですね。
NTTの歴史
NTTの歴史は古いため、ガッツリ歴史を振り返っていると本になりそうなので、ここでは概略だけ紹介します。
気になる方は公式サイトに写真付きで紹介してくれているので、そちらをご覧ください。
年 | イベント |
---|---|
1985 | 電電公社からNTTへ民営化(日本電信電話株式会社 設立) …携帯専用型ショルダーホン101型(重さ2.5kg)を発売 |
1987 | 携帯電話サービス開始 …ハンドヘルド型の携帯電話を発売 |
1988 | 世界初のISDN(商用サービス総合ディジタル網)サービス提供開始 |
1996 | インターネット接続サービス「OCN」提供開始 |
1999 | iモードサービス開始 |
2001 | 一般家庭への光ファイバー提供開始 |
2008 | クラウドサービス提供開始 |
NTTグループ
NTTはさまざまな企業が集まってグループになっています。
一般的にはスマートフォンのDocomo(ドコモ)や、フレッツ光などのサービスが知られていますが、それ以外にも法人事業やデータ管理・クラウドサービスなどいろいろなサービスを展開しています。
NTTの事業内容
NTTの事業は以下の4つに分かれています。
- 総合ICT事業
- 地域通信事業
- グローバル・ソリューション事業
- その他(不動産・エネルギー等)
1.総合ICT事業
総合ICT事業とは、携帯電話事業、国内電気通信事業における県間通信サービス、国際通信事業、ソリューション事業、システム開発事業およびそれに関連する事業です。
サービスとしては、携帯電話サービス・ドコモ光などが該当し、売上高・利益面でもNTTの主力事業となっています。
2.地域通信事業
地域通信事業とは、国内電気通信事業における県内通信サービスの提供およびそれに附帯する事業です。
サービスとしては、フレッツ光、コラボ光などのインターネット固定回線が該当し、安定した収益があります。
売上・利益ともに全体の2割を占める事業になっています。
3.グローバル・ソリューション事業
グローバル・ソリューション事業とは、企業向けに情報通信技術(ICT)サービスを提供する事業です。
例として、ICTインフラ、ネットワークシステム、クラウド、グローバルデータセンター、アプリ・システムなどがあり、広範囲のサービスをカバーしています。
売上比率としては2番目に大きい事業であるため、今後も成長していく事業になると考えられます。
4.その他(不動産・エネルギー等)
グループ会社である「NTTアーバンソリューションズ」が不動産・まちづくりの事業を、「NTTアノードエナジー」がグリーンエネルギー関係の事業を行っています。
比較的新しい事業ですが、SDGsは世界的な流れがあるため、今後期待される事業になるかもしれません。
各事業の売上・利益まとめ
各事業(セグメント)別の売上・利益・比率をまとめました。
データは2022年決算時のものです。
ちなみに、単位は億円です。…規模がデカすぎッ
セグメント | 売上(比率) | 利益(比率) |
---|---|---|
総合ICT事業 | 60,590(40%) | 10,939(58.5%) |
地域通信事業 | 31,776(21%) | 4,205(22.5%) |
グローバル・ソリューション事業 | 40,917(27%) | 2,656(14%) |
その他(不動産・エネルギー等) | 18,070(12%) | 892(5%) |
合計 | 151,353 | 18,692 |
NTTの業績
売上・利益・EPS
売上高と利益の推移をみていきます。
売上高・利益ともに右肩上がりに成長しています。
2020年のコロナショックのときは減益となっていまいましたが、それでもこの安定っぷりはすごいですね。
ちなみに、ROEも14%あるため効率的に稼げているようですね。
「Return On Equity」の略で、「自己資本利益率」ともいいます。
株主が出資したお金を元手に、企業がどれだけの利益を上げたのかを数値化したもので、「企業がどれぐらい効率良くお金を稼いでいるか」を示す財務指標です。
ROEは、当期純利益(会社が1事業年度の営業活動で株主全体にもたらした利益)÷自己資本(株主が出資したお金など返済する必要のない資産)×100%の計算式で求められます。
次に、EPSをチェックします。
赤いグラフがEPSです。(BPSはテキトー)
EPSも売上高と同じように昨年より伸びていることが重要です。
グラフからわかるとおり、毎年右肩上がりの成長をしていることがわかります。さすがですね♪
EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、1株当たり純利益(当期利益や当期純利益など)ともいわれます。
企業を評価する際に使われる指標のひとつで、1株当たりの利益がどれだけあるのかを示すものです。
EPSは、当期純利益÷発行済株式数の計算式で求めることができます。当期純利益とは、企業が1事業年度(通常は1年間)に上げた収益から、税金費用を含むすべての費用を差し引いた利益のことです。
PER・PBR
次にPERとPBRの推移について確認します。
↑のグラフが過去3年間のPERの推移です。
9~12倍ぐらいで上下しています。
現在は11倍ぐらいなので、やや割高感がありますね。
↑のグラフは過去3年間のPBRの推移です。
こちらは右肩上がりに増えていますね。
一般的に1倍を割ったら割安と言われますが、現在1.6倍と高い位置にあります。
PER、PBRの数値だけを見ると、現時点ではちょっと割高感がありますね。
株主還元(配当・自己株式取得状況)
NTTは株主還元に手厚い企業です。
株主還元は主に以下の3つの方法があります。
- 配当を出す
- 自社株買いして株価上昇
- 株主優待
ということで、まずは「配当」の推移をチェックしましょう。
2020年のコロナショックの時はさすがに減配してしまいましたが、基本的には増配しています。
これは投資する株主からすればかなりありがたい、というか投資意欲が沸きますね。
ちなみに、配当性向は30~40%ですので、まだまだ余裕で配当を出せます。
また、配当利回りは3~5%で推移しています。
株価が急落したときなどにうまく拾えると5%を狙えますし、長期保有していれば5%以上を狙えるかもしれません。
次は「自社株買い」です。
公式サイトを見ると、毎年自社株買いを行っていることがわかります。
株価上昇の要因になりますので、これはありがたいですね。
最後は「株主優待」です。
最近廃止が相次ぐ株主優待制度ですが、NTTはまだ継続しています。
内容は「株式の保有期間に応じてdポイントがもらえる」というもの。
具体てな条件は↓のとおり。
とりあえず、2年以上保有していれば1,500ポイントがもらえます。
で、ここからが大事なのですが、2023.7.1に株式分割をする予定ですが、株式分割後の条件も変わらないとのこと。
ということは、16,000円程度で100株買って2年持ってるだけで1,500ポイントがもえらるということになります。
これはかなりオイシイですね♪(利回り10%ぐらいありますので)
NTTの今後の展望
今後、NTTがさらに成長していくには、既存のユーザの拡大+新事業の展開という方法になります。
参考程度ですが、ユーザ獲得の推移を見てみましょう。
↑のグラフは固定ブロードバンド(フレッツ光など)と、移動ブロードバンド(スマホ)の契約数の推移です。
微増ですが、毎年確実に契約数を伸ばしています。
競合他社が増えたり、画期的なシステムが出てこない限りは、今後もこの流れは続くと思います。
また、公式で中期経営戦略を立てていて、↓のとおりです。
ぶっちゃけ具体的にはよくわかりませんが、今のサービスに胡坐をかくわけではなく、常に変化・進化し続けようという姿勢が評価できますね。
やっぱり今より成長しようという姿勢がなくなり、安定を求めていくと、それは退化に繋がってしまいますので…。
(肝に銘じます)
株の買い時は?
最後に、チャートから株の買い時を見ていきましょう。
基本スタンスとして、なるべく暴落時の安値でガッツリ仕込みたい、という考え方で検討します。
↑のチャートは2012~現在までの株価の推移です。
2012年は900円ぐらいでしたが、現在は4,100円まで上昇しています。
PERのあたりでチラッといったように、現在値は少し割高感があります。
それはこのチャートを見ても言えますね。
できれば、少しでも安いところで買いたいですね。
ということで、押し目となる買い時ポイントはどこになるでしょうか?
一番安値で買うならば、トレンドラインの下限まで下がったところがオイシイです。
価格でいうと「2,800円」ぐらいですね。
しかし、現実にはここまで下がる可能性は低いので、次のポイントを探します。
次は、エリオット波動第5波をとる戦略です。
第3波にフィボナッチリトレースメントを引いて、38.2%のラインで待つという手法です。
よくわかんない人は、「3,400円」ぐらいまで下がったら買う、ということだけ覚えておけばいいと思います。
ただし、今は最高値を更新中で上昇しているので、下がってくることなく株価が上昇していく可能性もあります。
そのため、株式分割されて買いやすくなったら、株価が下がったときにちょっとずつ買っていくのが一番無難な方法かもしれませんね。
まとめ
今回は、【9432】日本電信電話について銘柄分析してみました。
個人的にはNTT関連のサービスは一切利用していないのであまり興味がなかったのですが、低資金で買えるようになるならちょこっと買っておこうかなぁと思いました。
日本を代表する優良企業ですので、買って損はない銘柄だと思います。
投資は自己責任でやりましょう♪
NTTを一言でいうと? | 国内通信事業者の最大手 |
何しているの? | 携帯(ドコモ)・光回線(フレッツ光)・その他いろいろ |
業績は? | 売上・利益など右肩上がりに成長中 |
配当は? | 毎年増配、配当性向30~40%、利回り3~5% |
投資しても大丈夫? | 問題なし。 …この会社がダメとするなら大抵の会社がダメ。 |
いつ買ったらいいの? | 2023.7.1以降はちょっとだけ買うならいつでもOK 基本的には暴落を待ちたい(3,400円あたり) |