今年はユーチューブで儲かっちゃったな♪
そういう人がよく陥りやすいワナがあります。
それは…確定申告!
ノーガードで何も知らないまま確定申告すると
「えっ、税金高ッ!」
となって大ダメージを受けることになります。
そこで、今回はユーチューバー向けに自分でできる確定申告の仕方をザックリ解説します。
(めちゃくちゃ稼いでる人は、税務署調査の確率が上がりますので、税理士に相談した方がいいかもしれません。)
収入を集計する
まずは、1年間でどのくらいの収入があったかを確認します。
期間は1月1日~12月31日です。(4月1日~3月31日ではありませんよ。)
キホンはGoogle AdSenseからの広告収入になりますので、振り込まれている1月から12月まででもらったお金を合計するだけでOKです。
Google以外からの収入があれば、それも収入に含める必要があります。
例えば、アフィリエイトや企業案件、クラウドワークスなどの仕事受注による報酬、リアルでのアルバイトや本業の給与など。
ただし、本業の給与や片手間のアルバイトなどは給与というカテゴリになり、Google AdSenseやアフィリエイトなどの収入は事業、または雑というカテゴリになるので、計算方法が変わります。
カンタンな見分け方としては「給与所得の源泉徴収票」をもらっている場合は給与、それ以外は事業(雑)と考えてもらえればOKです。
<例> 本業はサラリーマンで年収400万円、副業でYoutubeに投稿して年間30万円、ついでにアフィリエイトで年間10万円の収入があるとき
・本業は給与なので、給与収入500万円
・今回のYoutube+アフィリは雑なので、雑収入40万円
となります。
事業所得か雑所得かのどちらになるのかは税務署の判断するところになりますが、ザックリいうと「リスクをとって営利目的で継続した仕事で客観的に事業と思えるか」となります。
そのため、ユーチューバーを専業としている人は事業となりますが、サラリーマンの副業的なものは事業には当たらないと判断されると思います。
必要経費を集計する
必要経費とは、ユーチューバーとして仕事をするときにかかっている費用のことです。
費用?と聞いても、収支について考えたことがない人はパッと何も思い浮かばないかもしれません。
なので、タイプの違う2人のユーチューバーを例に、何が経費になるのかを考えてみます。
例1:料理やお菓子などの作ってみた系の人
自分で考えたレシピや自慢の料理を作る方法などの動画を作っている人の場合、パッと思いつく経費は次のとおりです。
- 料理の材料代
- 調理器具や食器の購入費
- 食材を買いに行くときの交通費
- 料理するときの電気代
- 後片付けのための洗剤、水道代
料理を勉強するための書籍代、セミナー代、飲食店の食事代、など
最低でも上記の費用は経費として計上できます。
また、動画を作成するための経費として、↓も経費になります。
- 撮影用のカメラ、スマホの購入費
- 編集用のパソコンの購入費
マイクや編集ソフトの購入費 - インターネット回線やスマホの通信費
- 作業部屋の電気代や家賃・固定資産税
↑のものはユーチューバーで稼いでいる人であれば誰でも対象になるものです。
ただし、この費用は全額OKではありません。
ユーチューブの動画作成のために専用で購入したり、専用回線を使っている、専用の部屋を借りている、ということであれば費用の100%を経費にできますが、自宅でユーチューブ以外にも使っているときは使用率や使用頻度から自分で割合を計算して、ユーチューブに使っている部分の費用だけ計上できることになります。
なので、食材費や調理器具の購入費なども同じ考え方になります。
食材や調理器具、交通費、電気代などはプライベートと混同しがちになりますので、税務署からの聞き取りがあったときに的確に答えられるような割合で経費を計上しましょう。
(始めたばかりであまり投稿数がないうちは30%~50%、毎日投稿するようなヘビーユーザーなら80%~100%など)
例2:ゲーム・おもちゃ・機械などの実況&遊んでみた系
例1の作ってみた系と同じような考え方になりますが、このようなジャンルの人の経費は↓のとおり。
- 実況するモノ(ゲームソフト、おもちゃ本品、機械)の購入費
- モノのメンテナンス(修理)代
それについての勉強が必要なときは、学習に関する費用 - 撮影用のカメラ、スマホの購入費
- 編集用のパソコンの購入費
マイクや編集ソフトの購入費 - インターネット回線やスマホの通信費
- 作業部屋の電気代や家賃・固定資産税
料理より必要なものが少ないため、経費も少なくなります。
また、↑の全額が経費になるわけではなくて、自分でプライベートとユーチューブ(仕事)の割合・比率を考えて、ユーチューブにかかる費用だけを計上することになります。
経費を計上するのに領収書がいるの?
原則、領収書が必要です。
ただ、少額のモノを購入したときに「手書きの領収書をください。品名は〇〇で…。」といったことまでしなくてもレシートでOKです。
あと、インターネットで購入したものは領収書もデータ化されていることが多いのですが、データ化された領収書でもOKです。(原則、領収書は紙で保管ですが、国が電子化を進めており、令和2年度に電子帳簿保存法の改正もあったため少額なものは問題ナシです。)
また、クレジットカードやペイなどで支払った場合は領収書が発行されませんが、カードなどの購入履歴があればOKです。(気になる人はダウンロードや印刷などをしておいた方がいいかもしれないですね。)
ちょっとトクする小技として、現金で支払ったけど領収書がもらえないときもあるかと思います。
そんなときは、帳簿(ノートなど)に「〇月〇日、お得意先の冠婚葬祭費として●●円支出」などと記録しておけばOKです。(領収書がなくても経費として認めてもらえます。ただし乱用厳禁。)
必要経費まとめ
基本的に、動画を作る上で必要になる(コレがないと動画が作れない)費用は経費です。
また、絶対必要ではないけど、より良い動画を作るために必要になるもの(学習費用や動画編集ソフト、動画作成委託料など)もOKです。
さらに、本来サラリーマンでは経費として認められないスマホ代や電気代、家賃などの一部も経費として使えるところがオトクなところです。(本来は払いっぱなしな費用を経費にすることで税金が安くなるのですから…)
また、経費を集計・申告するためには領収書や記録が必要になりますので、捨てないで取っておきましょう。
・動画作成にかかった費用は経費になる。
・直接的な費用でなくても経費になることが多い。(交通費や学習費用など)
・固定費の一部を経費にできるのでオトク♪(通信費や電気代など)
・領収書は捨てないで残しておくこと! ←意外と大事
所得を計算する
収入と必要経費が計算できたら、あとはカンタンです。
収入から必要経費を引いたものが所得となります。
サラリーマンであれば、ユーチューブの所得が20万円以下であれば確定申告しなくてOKです。
ただ、住民税の申告は忘れずにしてくださいね。(住民税は申告不要の制度はありません。)
専業ユーチューバーであれば、所得48万円以下であれば確定申告しても所得税はかかりません。
が、住民税申告のこともありますので、所得税がかからなくても確定申告しておく方が後々ラクかもしれません。(数年後に税務署から調査が入ると面倒ですし。)
収支内訳書を作る
確定申告するときに必要となるものが収支内訳書です。
(青色申告する人は青色申告決算書になりますが、ここでは白色申告する場合で考えます。)
あまりユーチューブの所得がない人は青色申告する必要はありません。
ザックリいうと、青色申告とは税務署に届出を出してていろいろな帳簿をキチンと作って申告した人は特別に所得(税金)を減らしてもらえる制度です。
なので、所得が低くて税金がかからない人は労力の割に減税メリットがない(コスパが悪い)ので、簡単に処理できる白色申告がオススメです。(もちろん、税金がかかりだしたら青色申告の方が断然トクですよ♪)
ちなみに、サラリーマンが副業でユーチューバーしているときは雑所得になりますので、収支内訳書は必要ありません。
確定申告(住民税申告)で収入、経費、所得を入力するだけでOKです。
もちろん、経費の根拠となる資料は残しておくことをオススメします。
さて、収支内訳書の作り方についてですが…
確定申告の公式ホームページ(国税庁)から確定申告書と一緒に収支内訳書もつくれますので、そこで作るのが一番確実です。
<収支内訳書の作成手順>
- 国税庁ホームページの「所得税の確定申告」から「確定申告等の作成はこちら」をクリック。
- 確定申告書等作成コーナーに移動するので、「作成開始」をクリック。
- マイナンバーがあれば左、ID,パスワードがあれば中央、どちらもなければ「印刷して提出」をクリック。
- (印刷して提出の場合)「利用規約に同意して次へ」をクリック。
- 「令和〇年分の申告書等を作成」をクリックし、「決算書・収支内訳書」をクリック→作成開始
- e-Taxできない人は「印刷して郵送等で提出する。」を選択して、「白色申告書に添付する収支内訳書を作成する。」を選択して、「入力終了(次へ)」をクリック。
- 収支内訳書(一般用)「営業所得がある方はこちら」の「入力する」をクリック。
ここまで移動していくと、収支内訳書の入力画面になります。
各費目に入力して、画面を進めていくと収支内訳書が作成できます。
コレは何の費目になるの?って人のために↓で解説していますので参考に。
収支内訳書の項目解説(コレは〇〇費?)
ユーチューバーとしてかかる一般的な経費について仕訳けていきます。
1.撮影用のカメラ、スマホ、パソコンなどの機材やソフトの購入費
10万円を超えるものは減価償却費として複数年に分けて経費を使うことになりますが、10万前後やそれ以下の価格であれば消耗品費でOK。
2.インターネット回線やスマホの通信費
通信費です。そのままですね。
3.作業部屋の電気代や家賃・固定資産税
電気代は水道光熱費、家賃は地代家賃、固定資産税は租税公課になります。
4.その他
例えば…
・動画編集を外注しているときは外注工賃
・スキルアップなどの学習費用は福利厚生費や雑費(どちらでもOK)
・ロケなど外で動画を撮るときの交通費やガソリン代は旅費交通費
・動画で自動車を使うときの車検代やオイル交換などは修繕費、自動車税は租税公課
・アクセスアップの広告や視聴者プレゼントは広告宣伝費
などがあります。
(厳密には、車検代は税金や保険料も含まれているのですが、まとめて修繕費や空白に「車検代」などと作ってもいいです。)
中にはどっちともとれる費目があると思いますが、「費目は絶対こうしなさい、間違えてたらペナルティです。」なんてことはないのでフィーリングでも大丈夫です。ただ、一度その費目に決めたら翌年から変えないようにしましょう。
確定申告書を作る
収支内訳書が作れたら、後は確定申告書を作るだけです。
確定申告書等作成コーナーで収支内訳書まで作れたら、そのまま次へ進んでいくと「所得税の確定申告書を作成する」というボタンがありますのでクリックすると申告書作成画面に移動します。
と、その前に、収支内訳書をデータで保存できますので「入力データを保存する」をクリックして、データをダウンロードしておくことをおススメします。
ここからは、確定申告書を作る流れです。
生年月日を入力して、次へ。
青色申告してる人は上の□にチェックします。
最初は収入の入力画面。
副業の方は、源泉徴収票を見ながら給与など他の収入も入力します。
他に収入がないときは、入力せずに次へ。
次は所得控除の入力画面。
源泉徴収票を入力するときに控除も入力したときはこちらの画面に反映されます。
医療費、社会保険料、扶養、ふるさと納税など該当する控除があるときは忘れずに入力しましょう。
入力できたら次へ。
次は税額控除の入力画面。
住宅関係、外国株の配当などがあれば控除の対象になりますし、予定納税しているときは必ず入力しましょう。
通常該当しない人が多いので、なければ次へ。
次は住民税の入力画面。
ココを忘れる人が多いのですが、大事なポイントの一つです。
入力するべきポイント
・副業している人が、副業分を会社にバレずに自分で払いたいとき
・15歳以下の親族を扶養しているとき
・申告不要制度を利用した非上場株式配当の特例分があるとき
最後は、個人情報や還付口座などの入力をして、完成となります。
お疲れさまでした。